
2022年春アニメの覇権候補といわれている『パリピ孔明』。一見、鼻で笑ってしまうようなタイトルに見えるかもしれないが、多くの見どころがあるアニメです。
『パリピ孔明』は、原作・四葉夕卜先生と作画・小川亮先生によるマンガ原作アニメ。2019年12月31日から「コミックDAYS」で連載がスタート。
その後、2021年11月22日発売「週間ヤングマガジン」で連載され、2022年5月5日時点で単行本9巻が発売されています。
今回はなぜ『パリピ孔明』が評価される理由について簡単に紹介していきます。
『パリピ孔明』評価されている3つの理由
硬派な孔明とクラブのギャップ
『パリピ孔明』が評価されている1つの目はギャップ性です。まず、諸葛孔明は中国の三国志に登場する人物で、蜀の軍師を務めた高貴な人です。軍師と聞けば「偉い」「クール」「孤高」のような、お硬いイメージがあると思います。
でも、本作はくだけたイメージがあるパリピがついています。お硬いイメージがある孔明なのに、くだけたワードがつくことでギャップが生まれ自ずと惹きつけられます。「孔明なのにパリピってなによwww」となったかたもいるのではないでしょうか。
自身が想像している孔明とパリピの陽キャのイメージがかけ離れているほど、気になってしまう仕掛けが『パリピ孔明』にされています。タイトルから惹きつけられた方は、恐らくそのマジックにかかってしまったことでしょう。
さて、肝心の中身ですが、ここも絶妙なギャップがありました。諸葛亮孔明の知略をEIKOのために使うこと。
いままでの諸葛亮孔明の知略は戦いなどに生かされていました。そんな戦いの知識をEIKOをスターへと導くために使ったため、固定概念をグチャグチャにされ好奇心を刺激してくれます。
『パリピ孔明』は大きなギャップを視聴者に感じさせ、そのギャップが「おもしろい」に変換されたアニメだと考えます。
栄子の成長譚
次に評価されているポイントが「栄子の成長物語」です。いわゆる成長譚ですね。成長譚は、主人公が徐々に力をつけていき、大きな困難も乗り越える。とても美しい物語であり、アニメなどでは王道の構成パターンです。
たとえば、『鬼滅の刃』も成長譚です。主人公の炭治郎は、鬼を倒すために修行をして、多くの鬼を討伐しました。鬼と戦う中で「ヒノカミ神楽」を使えるようになるなど、物語が進んでいくごとに強くなっていきました。
主人公が成長していくことは人の琴線に触れやすい傾向が強いです。『パリピ孔明』も一緒です。EIKOは小さなクラブでミュージシャンをしていたが孔明と出会ってから、力を付けたり、音楽とより向き合ったり、大きな舞台で歌うことを夢見たり、着実にステップアップしていく様子が描かれています。
『鬼滅の刃』と同じく主人公が成長していく様子は、心の琴線に触れやすいですから、知らず知らずのうちに『パリピ孔明』は面白いという感覚になっていくと人たちも多いと思います。
シンプルな物語
『パリピ孔明』はとてもわかりやすいシンプルな物語です。無駄に伏線を増やすのではなく、EIKOが立派な歌手になることを目掛けて進んでいきます。
ドラクエのように勇者が魔王を倒すという目標のように、誰でもハッキリわかる目標設定は視聴者としても嬉しいことです。なぜなら、見る理由になるからです。
「このキャラクターがこの先どうやって乗り越えていくのか?」が気になってしまい、目標を叩き込まれた視聴者は追っていきます。
個人的に目標が序盤で見えないアニメは嫌いです。例えば、ラブコメアニメとかこの傾向が強いですね。同じ2022年春アニメであれば『可愛いだけじゃない式守さん』はまさにその例。
第1話でキャラクターたちの目標が見えてこないですよね。作風やジャンルによって違いはありますが、ある程度、序盤にキャラクターや作品の方向性を示したほうが視聴者も作品に入っていきやすいと考えます。
その点、『パリピ孔明』は第1話でEIKOの方向性を示しています。目標のために「どうやっていくのか?」を視聴者に伝えたことで、視聴者はより一層『パリピ孔明』に釘付けになったと思います。
ちなみに、第1話を感動的な形で終わらせたのは素晴らしい!理由は、感動的なほうが人の記憶に残りやすいからです。感動という印象が残りやすいことを第1話の最後に持ってきた。制作のセンスが計り知れませんね。
続きも面白いから原作を読むべき!
アニメ『パリピ孔明』は、恐らく、久遠七海が率いるAZALEAとの対戦までになるかと予想しています。12話であれば尺的に丁度よいですし、切も良いです。また、サマーソニア出場という未知が残っているため、2期にも繋げやすいですからね。
ただ、現時点(2022年5月6日)の原作の進捗は、サマーソニアのために曲を作っている段階。アニメの続編はまだまだ先になりそうです。
しかし、アニメ以降のお話もおもしろのが『パリピ孔明』です。サマーソニア用の曲作りのために、京都で戦ったり、EIKOの母親が出てきたり、父親をちらつかせたり、アニメ以降も面白い話がたくさんあります。
『パリピ孔明』はすでに人気アニメの一員ですから、この機会に原作を読んでみることをおすすめします。